「ソトってどんな料理?」と思った方へ。
ソト(Soto)は、インドネシア全土で愛されるスープ料理です。鶏や牛の出汁にスパイスを効かせた一杯は、屋台から高級レストランまでどこでも出会えます。
そして面白いのは、地域ごとに味や具材がまったく違うこと。これは日本のラーメンが「醤油・塩・味噌・豚骨」と地域性を持つのに似ています。つまりソトは、“インドネシア版ラーメン”と言える存在なんです。

ソトの基本構成(ラーメン的な三要素)
- スープ:鶏・牛・山羊など。ターメリック、ガランガル、ショウガ、レモングラスで香りをプラス。
- 主役の具材:鶏肉、牛肉、内臓(胃袋=ババット)など。
- 麺 or ご飯:春雨・ビーフン・黄麺など、あるいはご飯。
日本のラーメンが「スープ×具材×麺」で成り立つように、ソトも同じ三位一体。
さらに、ライム・サンバル・ケチャップマニスを後から足して味をカスタマイズできる点も、ラーメンに胡椒やニンニクを足す感覚とそっくりです。
地域ごとのソト(ラーメン風にいうと「ご当地ソト」)
- ソト・アヤム(Soto Ayam) … 塩ラーメン的ポジション
- ソト・ベタウィ(Soto Betawi/ジャカルタ) … 豚骨ラーメンのようなコク
- ミー・ソト(Mee Soto) … 味噌ラーメン的な満足感
- チョト・マカッサル(Coto Makassar/スラウェシ) … 担々麺的な濃密さ
- ソト・パダン(Soto Padang/スマトラ) … トッピング豊富なラーメン感覚
現地の食べ方と文化
- 屋台スタイル:卓上に揚げ物やクラッカーが並び、食べた分だけ会計。
- 朝のソト:ジャワ内陸では朝からソト。静岡の「朝ラーメン」と似ています。
- 味変セット:ライム・サンバル・ケチャップマニスで自分だけの一杯を作る。
日本での楽しみ方(ラーメン的アレンジ)
- スープ:鶏手羽であっさり(塩ラーメン風)、牛すじ+ココナッツミルクで濃厚(豚骨ラーメン風)。
- スパイス:ターメリック・ショウガなど基本5種。カレー粉少量で代用も可。
- 主食:ビーフンを麺代わりにすればラーメン感UP。ご飯投入で雑炊風もアリ。
- トッピング:ゆで卵、フライドオニオン、もやし。
注意:辛味はサンバルを後がけで。煮込み段階で入れすぎると全体が単調に。
簡単なSOTOの作り方
①スープをとる
骨付き鶏肉を水から煮込み、旨みのある出汁を作ります。肉は後でほぐしてトッピングに使います。
②スパイスペーストを準備
ニンニク、ショウガ、ターメリック、コリアンダー、白コショウ、ナッツ類(マカダミアなど)をすりつぶし、少量の油で炒めて香りを出します。
③香りを重ねる
レモングラスやライムリーフを加えてスープに移し、風味をしっかりと馴染ませます。
④麺と具材を用意
緑豆春雨(またはビーフン)をゆで、器に入れます。ゆで卵、もやし、刻みネギ、セロリの葉、フライドオニオンなどを用意。
⑤盛り付け
麺や具材を器に並べ、熱々のスープを注ぎます。最後にライムを絞り、サンバル(唐辛子ソース)やケチャップマニスを添えれば完成。
必要具材
🐓 メイン
- 骨付き鶏肉(手羽元やもも肉がおすすめ)
- ゆで卵
🌿 スープ&香り付け
- 水
- 塩
- ショウガ
- ニンニク
- ターメリック(粉末でOK)
- コリアンダーシード(なければパウダーで代用可)
- 白コショウ
- レモングラス(手に入りにくければ省略可)
- ライムリーフ(カフィアライムリーフ。なければレモンの皮少々で代用)
🥬 野菜・具材
- もやし
- キャベツ(千切り)
- ネギやセロリの葉
- フライドオニオン(市販でもOK)
🍜 主食部分
- 緑豆春雨(ビーフンでも代用可)
- または ご飯(ロントン=米ケーキ代わりにおにぎりでもOK)
🌶 味変・仕上げ
SOTOのお店には大概下のような味変用の容器が置いてあります。
それぞれ以下のようなものが一般的
是非、これらで味変してその変化を楽しんでみては?
日本国内で作る際の代用品も記載してみました!!
- サンバル(唐辛子ソース)※サンバルについては別記事作成予定!!
- ケチャップマニス(甘口醤油。なければ醤油+砂糖少しで代用)
- ライム

さいごに
ソトは、インドネシアで親しまれている“スパイス香る鶏スープ”ですが、日本人の口にもとても合う料理です。ターメリックやレモングラスの爽やかな香りはありながら、ベースはあっさりとした鶏出汁。脂っこすぎず、どこか「ラーメンと味噌汁の中間」のような親しみやすさがあります。
私の中では、数あるインドネシア料理の中でも「日本人に一番合う料理」がソトです。飲んだあとに欲しくなるような軽やかさがあり、二日酔いの朝にもスッと入ってきそうな優しさがあります。屋台で食べれば旅気分を盛り上げてくれるし、家庭で再現しても違和感なく日常に溶け込みます。
つまりソトは、異国のスパイスと日本人の“胃袋にやさしい感覚”をつないでくれる一杯。これを知ると、インドネシア料理がぐっと身近に感じられるはずです。