みなさん、コピ・トゥブルックって聞いたことありますか?インドネシアで昔から飲まれている、超シンプルで豪快なコーヒーなんです。
作り方は簡単で、細かく挽いたコーヒー粉に熱湯をドバッとかけるだけ。粉が沈むのを待って上澄みを飲むスタイルで、現地では日常に欠かせない一杯になっています。
カップの底に粉が残るので、海外では “mud coffee(泥コーヒー)”とも呼ばれています。名前の「トゥブルック」はジャワ語で「ぶつかる」という意味で、お湯と粉がぶつかる様子を表しているんです。
歴史と豆知識:トルココーヒーとの関係
実はこのスタイル、トルコや中東のコーヒー文化がルーツといわれています。オスマン帝国の交易でインドネシアに伝わり、現地風にアレンジされて広まったんですね。
トルコ式は「イブリック」という小鍋で煮出しますが、インドネシアはもっとラフ。カップに粉と砂糖を入れてお湯を注ぐだけ。でも味は負けないくらい濃厚なんです。
作り方(ローカル流)
1カップに粉(スプーン山盛り1〜2杯)

2砂糖をどっさり(インドネシア人はかなり甘党!)
3熱湯を注いでひと混ぜ

4粉が沈むのを数分待ってから上澄みを飲む


ね、超シンプルでしょ?現地では「粉を飲み込んじゃうのもまた味」なんて笑う人もいるくらいらしいですが、さすがに私には濃ゆすぎでした。(笑)
味わいと科学的な一面
味は濃厚でどっしり、苦みがガツンときます。
細かい粉のおかげでコーヒーオイルや微粒子がそのまま残り、ドリップより圧倒的にボディ感が強いんです。
インドネシアの研究者によると、お湯を勢いよく注ぐときに起きる「乱流」が香り成分をしっかり引き出しているんだそう。器具いらずなのに科学的にも理にかなっているんですね。
バリエーション
- Kopi Susu Tubruk(練乳入り):苦みをやわらげてまろやかに。デザート感覚で楽しめます。
- トウモロコシ混ぜ:一部地域ではコーヒー粉に炒ったトウモロコシを混ぜてほんのり甘く。
- サードウェーブ的アレンジ:スペシャルティ豆を使い、「トゥブルックでもシングルオリジンを!」という新しい動きも。
他のコーヒーとの違い(マニア目線)
- ペーパードリップ:クリーンで澄んだ味。対してトゥブルックは“厚み”で勝負。
- エスプレッソ:圧力抽出の凝縮感。トゥブルックは豪快な濃さ。
- トルココーヒー:煮出すトルコ式に比べ、インドネシアはもっとシンプルで甘党仕様。
楽しみ方のコツ
・飲む前にちゃんと沈殿を待つこと!!
・苦すぎたら砂糖や練乳を追加。→そもそも甘めなことが多い!!
・ワルン(コーヒー小売テント)でおしゃべりしながらのんびり飲むと最高に雰囲気が出ますよ。
まとめ
コピ・トゥブルックは、道具いらずで楽しめるインドネシアの庶民コーヒーです。トルココーヒーのルーツをもちつつ、甘党な国民性と庶民文化の中で育まれてきました。
豪快で人懐っこい一杯は、インドネシアを旅するならぜひ体験してほしいコーヒー文化です。